第48話 お客様の心理

第48話 お客様の心理

(この小説「カウンセリングルーム」は、人材育成をテーマに、
仕事ができる方法や人間関係を良くする方法をリアルに
楽しく学んで頂けるようストーリー仕立てにしたものです。
初めての方はコチラからご覧ください)

 

 

第48話 お客様の心理

 

 

絶対に忘れてはいけない3つの原則。
1.売る側も買う側も人間である。
2.売り上げ=顧客数×客単価 である。
3.他人の力、ビジネスの法則をマネる。

 

 

拓郎:「と言っても、わかりにくいだろうから、今から
一つ一つ説明するね。
一つ目は、売る側も買う側も人間である。

 

これについては君は有利な環境にいるね。
だって、今働いているところが、人間について
研究する所だからね。」

 

志保子:「有利・・・。全然ピンとこないな・・・。」

 

拓郎:「はは、ピンとこない・・・か。
これは、お客さんをきちんと人間として
接してください、ということだよ。」

 

志保子:「???」

 

拓郎:「不思議なことに、人間、商売をすると、
お客さんを人間として見なくなってしまうんだ。」

 

志保子:「どういうこと?」

 

拓郎:「例えば、お客さんは安くないと商品を
買わないとか、いい物だから当然売れるはずだ、
とかってよく言われるよね?」

 

志保子:「うん。でも、そうじゃないの?」

 

拓郎:「もちろん、そういうケースもあるよ。
でも、安易にそう思い込んでしまうところが
危険なんだ。
それは、お客さんを心がある人間として
みてないからなんだ。」

 

志保子:「心がある人間・・・」

 

拓郎:「例えば、お客さんが商品を買うときって、
欲しくなったから買うか必要だから買うんだよね?」

 

志保子:「うんそうね。」

 

拓郎:「ということは、商売人がお客さんにやらなきゃ
いけないことは、価格を安くすることじゃなくて、
その商品を買うことによって、お客さんにどんな
メリットがあるかを伝えることなんだ。」

 

志保子:「うんわかる・・・。」

 

拓郎:「それに、いい物だったら売れるっていうけど、
世の中そこそこいい物だらけだよね。だから、お客さん
は選択肢が多すぎて選べない。もしくは、見つけられないんだ。」

 

志保子:「じゃあ、“これはいい物だよ”って売り手が
教えてあげればいいんじゃないかな?」

 

拓郎:「いい意見だね。基本的にはそうなんだけど、
注意が必要なんだ。
いい物だよって言うことについては、お客さんの心理を
考えて言わないとたいてい間違えるんだよね。」

 

志保子:「お客さんの心理・・・。」

 

 

志保子の頭に、クエスチョンマークがピコンと
現れた。こういう概念的な話はわかりにくい。
拓郎はそれに気づいて説明を加えた。

 

 

拓郎:「例えば、志保子が初めて行く服屋さんに、
服を買いにいって、いきなり店員に“これいいですよ”って
言われたらどう思う?」

 

志保子:「はあ、って言いながらも困っちゃうかな。」

 

拓郎:「店員がいい物を勧めてくれてるのになんで困るの?」

 

志保子:「いらないもの買わされるって身構えちゃうから。」

 

拓郎:「それはお客さんだったら自然な反応だよね。」

 

志保子:「うん。じゃあ、どう言えばいいの?」

 

拓郎:「実は、こう言えば買ってくれるっていう
殺し文句なんてないんだよ。

 

もし、必殺ワザがあるとしたら、まず人間関係を
作ること。そのためには、お客さんの気持ちを
できるだけわかってあげようと努力して、
大切な大切な友人として接することがポイントになる。」

 

志保子:「お客さんを友人扱いするっていうこと?」

 

拓郎:「まあ、当然言葉遣いをタメ口にするとかって
いうことじゃないことはわかってくれてるよね?

 

もちろん心構えとして、そう思おうという意味だよ。

 

普通、大切な友人に、売り上げを上げるために、
何でもいいから買わしてやろうって思う?」

 

志保子:「思わない。嫌われちゃうわ。」

 

拓郎:「逆に、その友人にとって本当にいいと思ったものだけ、
勧めるよね?」

 

志保子:「そうね・・・。わかりました!
友人っていうニュアンスが!」

 

拓郎:「よかった。飲み込み早いね!」

 

 

続く・・・・

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